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安定した工程で作られたもののデータの分布の姿は、左右対称の釣鐘形になることが知られています。 この形を関数で表すと下のようになります。 ![]() ※π:円周率、e:自然対数の底、m:平均値、σ:標準偏差 |
一般に、上の形の式で与えられる分布を正規分布といい、そのグラフを正規分布曲線といいます。 このようにm:平均値、σ:標準偏差が決まると正規分布が定まりますので、このような正規分布をN(m,σ2)で表します。 この正規分布曲線は、直線x=mに関して対称で、xの値がmに近いほどyの値は大きく、|x|が大きくなるとyの値は限りなく0に近づきます。 また、y=f(x)とおくと、上図の斜線で示した部分の面積 ![]() は、変量xがa<x<bの範囲にある確率P(a<x<b)です。 特に曲線とx軸との間の部分の面積は、確率P(-∞<x<∞)ですので、1です。 ![]() |
条件 | ONタイミング | 変動分布 | ||
平均(m1) | 標準偏差(σ1) | 平均(m2) | 標準偏差(σ2) | |
初期 | 8.688 | 0.058 | ||
55℃3h | 0.060 | 0.034 |
ONタイミング規格の下限が8.50のとき、耐熱クリープ試験(55℃3h)後、規格外れが発生する確率を求めよ。
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課題を図にすると、上のようになります。 初期分布m1=8.688, σ1=0.058のものに熱を加えたら、分布が左側に移動。 移動量は変動分布m2=0.060, σ2=0.034で与えられています。 求めるものは、移動によって規格下限8.50を下回る確率です。 |
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<考え方> 試験前、区間[x1,x2]に存在する確率をP(x1)とします。 区間[x1,x2]から規格下限までの距離をy1とします。 区間[x1,x2]に存在していたものがy1以上移動する確率をP(y1)とします。 求める確率は、ΣP(xn)P(yn)。 |