■定理 l, m, nをどの2数も互いに素な自然数とするとき、 l で割ると p (0 ≦ p ≦ l-1)余り、 m で割ると q (0 ≦ q ≦ m-1)余り、 n で割ると r (0 ≦ r ≦ n-1)余るような自然数は、 1~lmnの lmn個の中に、ちょうど1つ存在する。 |
■証明 ①定理のような自然数が1~lmnの中に2個あったと仮定し、その2つをM, Nとする。 M(mod l)=p, M(mod m)=q, M(mod n)=r N(mod l)=p, N(mod m)=q, N(mod n)=r よって (M-N)(mod l)=(M-N)(mod m)=(M-N)(mon n)=0 すなわち、M-Nは、lでもmでもnでも割り切れる。 よって、l, m, nは互いに素なので、M-Nは、lmn(l, m, nの最小公倍数)で割り切れることになる。 ところが、M-Nは仮定によりlmnより小であることは明らかであり、矛盾する。 したがって、定理のような自然数は高々1個しか存在しない。 ②また、定理のような自然数をl, m, nで割ったときの余りはそれぞれl, m ,n通りなので。余りの組み合わせは lmn通りしかない。よって、定理のような自然数が1~lmnの中に一つも存在しないと仮定すると矛盾が起こる。 ①②より、定理のような自然数は1~lmnにちょうど1個存在する。(証明おわり) |
中国の剰余定理の歴史については下記を参考にして下さい。
※中国剰余定理 解説(最終更新日 2003年12月9日)RSAセキュリティ株式会社技術統括本部長前田 司
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